小坂義久「令和6年第1回定例会 一般質問」


 

1.災害に対する備えについて

次の3点について、区長の所見を伺う。

①災害関連死者数の多くを占めるのは、高齢者や障害者などであリ、適切な支援を受けられなかったことが原因であると考えられる。
この教訓を踏まえ、全ての人を取リ残さない「インクルーシブ防災」の必要性が提唱されている。
「インクルーシブ防災」についてどのように認識しているか。
また、実現に向けどのように取リ組むのか。

②災害時におけるトイレの確保、管理は極めて重要な課題であリ、水や食料等の支援とともに、被災者の命を支える社会基盤サービスの一っとして認識し、今まで以上に問題意識を持ち、対応すべきであると考える。
そこで、本区において災害用トイレは十分に備蓄されているのか、また、区民のトイレに対する備えをよリ一層促進するため、携帯トイレを全戸配布するなど、さらなる啓発を行うべきと考えるが、どうか。

③縮災は、発災前に事前防災や日常防災の推進によって被害を抑え、発災後は復旧、復興の早期実現に向けた回復力の向上を目指す考えである。
発災前の事前対策や被災後のまちづくりにおいて重要な視点であると考えるが、どうか。

※ インクルーシブ防災
誰一人取リ残さないことを目指した防災の理念

【区長答弁】

私から、ご質問の第一、災害に対する備えについて、お答えいたします。

まず、インクル—シブ防災への認識についてです。
大規模災害が発生した際、高齢者や障害者など、配慮が必要な方々は、特に影響を受けることから、あらゆる人を取り残さないインクルーシブ防災の視点は重要であると認識をしています。
区では、災害時に誰もが円滑に対応できるよう、「避難行動要支援者名簿」や「個別支援計画」の作成を進めているところです。
今後も訓練などの機会を通じ、インクルーシブ防災の視点を含めた、支え合いの防災活動の普及啓発に努めて参ります。

次に、トイレに関する課題についてです。
災害時に使用できるトイレを確保することは、被災者の健康や衛生環境を維持するうえで、切実な課題であると認識をしています。
区ではこれまで、東京都と連携し、マンホールトイレを約400か所整備するとともに、今回の能登半島地震を受け、排便収納袋の備蓄数を避難者数の1日分から3日分に増やしていきます。
また、区民一人ひとりが自分事として意識し、各ご家庭でトイレの備えをすることも重要です。
今後、議員ご提案の携帯トイレの全戸配布を含め、効果的な区民への周知方法を検討して参ります。

次に、縮災についてです。
縮災とは、事前防災で被害を最小にし、発災後は速やかな復旧、復興を目指すというもので、災害対策において重要な考え方の一つであると認識をしています。
区ではこれまでも、縮災の視点を踏まえた日常備蓄や避難所開設訓練など、自助、共助の啓発を行うとともに、木造住宅密集地域の不燃化促進など、公助の施策を推進しています。
また、今年度は、被災後の復興を円滑に進めるための手順の理解と共有を図る「都市復興模擬訓練」を実施しました。
引き続き、縮災の視点も踏まえた災害対策を進めて参ります。

私からは、以上です。

2.カスタマーハラスメントについて

顧客の暴言や理不尽な要求などのカスタマーハラスメントによリ、職場を辞めたリ、メンタルに不調を来たすケースが相次いでいる。
また、民間だけでなく、公務員も被害を受けている現状がある。
そこで、カスタマーハラスメントから区職員を守る取組みを行うべきと考えるがどうか、区長の所見を伺う。

【総務部長答弁】

私から、ご質問の第二、カスタマーハラスメントについてお答えいたします。
区役所の窓口には、日頃から多くの方にご来庁いただいており、丁寧な対応を心がけていますが、大声を出される方等もおられます。
近年では、電話対応も含め、このようなケースが増え、時間がかかる場合や内容も過剰になって来ているように感じています。
そのため、職員には接遇研修や、クレーム対応に関する研修を行い、基本的な傾聴の方法から、不当行為の恐れがある場合の対応方法まで、幅広く習得させています。
また、職員が勤務中に着用している名札により個人を特定され、嫌がらせを受けることなどを未然に防ぐため、フルネ—ムから名字だけの名札に変更するよう現在準備を進めています。
一方、東京都でもカスタマーハラスメント防止対策に関する検討が行われており、その動向等も注視して参ります。
カスタマーハラスメントを受けた職員は、精神的にも消耗します。
そのため、組織として毅然とした対応を取ることや、職員のメンタルヘルスケアを行うことで、職員が心身ともに健康を保ち職務に取り組めるよう努めて参ります。

私からは、以上です。

3.「5歳児健診」について

5歳児健診は、発達に特性をもつ子供を早期に発見し、適切な支援につなげることができ、次世代を担う子供たちの健やかな成長に欠かせない事業である。
国は、令和5年度補正予算で区市町村への財政支援を開始し、あわせて必要な技術的支援を行うことによリ、全国での5歳児健診の実施を目指している。
そこで、本区においても実施すべきと考えるがどうか、区長の所見を伺う。

【台東保健所長答弁】

私から、ご質問の第三、「5歳児健診」について、お答えいたします。
5歳児健診は、発達に特性を持つ子供を早期に発見して、適切な支援に繋げるとともに、生活習慣その他の育児に関する相談支援を行うことで、子供たちの健やかな成長につながるものと認識をしています。
国は、5歳児健診について、早期の全国展開に向けた支援を行い、出産後から就学前までの切れ目のない健康診査の実施体制の整備を目指しています。
5歳児健診の実施に当たっては、医師等の専門的知識を持ったスタッフの確保や、健診後のフォ□ —アップ体制の構築などの課題がありますが、実施に向けて検討を進めて参ります。