小坂義久「令和元年第2回定例会 代表質問」


令和元年第2回定例会において

6月11日に行われました小坂義久議員の代表質問の要旨と答弁を掲載します。

 

1.区政運営について

次の2点について、区長の所見を伺う。
① 今後の区政運営にあたって、区長が掲げた4つの基本目標と「多様な主体と連携した区政運営の推進」の実現及び更なる区民サービスの向上を図るうえで、重要視している課題と、その解決策について、伺う。
② 東京2020大会を控え、国内外からの来街者が増加する本区では、宿泊、交通、騒音やごみ問題など、地域住民の生活に弊害が及ぶことが懸念される。
そこで、更なる対応が求められると考えるが、どうか。

【区長答弁】

① 人口構造の変化や 来街者の増加など、区を取り巻く環境は大きく変化しており、待機児童対策をはじめとする子育て支援や地域包括ケアシステムの更なる強化、また、激甚(げきじん)化する自然災害への備えなど、取り組むべき重要な行政課題が多岐(たき)にわたっています。
私は、これらの課題解決に向けた取組みを着実に進め、区の将来像である「世界に輝く ひと まち たいとう」の実現を図るため、新たな長期総合計画を策定いたしました。
また、今定例会にてお示しする行政計画では、4つの基本目標及び「多様な主体と連携(れんけい)した区政運営の推進(すいしん)」のもと、「おやこ サポート ネットワーク」や「コミュニティ 防災の構築」など、長期総合計画の具体化を図るため、令和元年度から3年間で重点的、優先的に取り組む事業を定めています。
今後は、これらの計画をもとに、本区が誇りと愛着を持てるまちであり続けられるよう、地域の皆様との対話を大切にするとともに、効果的・効率的な行財政運営を推(お)し進め、本区の一層の発展に向け邁進(まいしん)して参ります。

② 区では、これまでも区民生活への影響を考慮し、管理者が常駐(じょうちゅう)しない住宅宿泊事業の制限や、観光バス予約システムの導入等(とう)による安全安心な交通環境の確保などに取り組み、一定の成果を上げています。
また、騒音やごみのポイ捨てについては、パンフレットの配布やSNSによる多言語情報(じょうほう)発信等(とう)により、マナー啓発に努めています。
一方で、さわやかトイレ整備やバリアフリー化の推進(すいしん)、「Taito(タイトウ) Free(フリー) Wi(ワイ)-Fi(ファイ)」の整備など、様々な受入(うけいれ)環境の整備にも取り組んでいるところです。
しかしながら、観光客の増加傾向は、今後も続くことが予想されることから、更なる対応が必要だと認識をしています。
そのため、地域の皆さんのご意見も伺いながら、宿泊や交通、生活環境対策など、これまでの取組みを一層充実させて参ります。
併せて、多様な文化・習慣を持つ外国人旅行者それぞれにあった情報発信を行うことなどにより、住む人も訪れる人も快適に過ごせる環境の更なる整備に努めて参ります。

 

2.交通安全対策について

高齢者が運転する車の事故や園児を巻き込む事故が発生した。
私は、区民や子供たちの安全安心を守ることは重要な課題であると認識している。
そこで、次の2点について、所見を伺う。
① 本区におけるこれまでの交通安全対策について、区長に伺う。
② 本区における子供の交通安全対策について、教育長に伺う。

【区長答弁】

①  小坂議員ご指摘のとおり、高齢者の運転による交通事故が全国で多発しています。
区では、平成21年度から運転免許の自主返納(へんのう)制度に合わせて、延べ3000人を超える方に支援を実施しています。
高齢者が車を運転しなくても、日常生活への支障を来(き)たさない環境を整えることが重要であり、現在、台東区循環バス「めぐりん」の実証実験において、主要な病院への通院など利便性(りべんせい)の向上に取り組んでいます。
今後も、高齢者の移動支援の充実を一層図って参ります。
また、この度の事故を受け、区道上で交通事故の多い場所において、要因等(とう)の調査を実施しています。
今後は調査結果を踏まえ、関係部署や国・都・警察などの関係機関と連携(れんけい)し、安全・安心な交通環境の整備に努めて参ります。

【教育長答弁】

②  子供の交通安全対策につきましては、私も、大変重要なことと認識をしております。
教育委員会では、通学路における交通安全確保のため、随時、通学路点検を行い、警察や道路管理者と協議のうえ、交通規制や横断歩道の設置、交差点の強調表示や路側帯のカラー化などの実施をしております。
さらに、学校安全ボランティアや保護者、地域の方々、子どもの安全巡回パトロールによる見守りのほか、学校・園におきましては、安全な歩行や交差点の横断の仕方を始めとした交通安全指導を計画的に行うなど、様々な安全対策に取り組んでおります。
また、今般の事故を受け、小中学校のほか、幼稚園、保育所、認定こども園において、「学校安全計画」や「危機管理マニュアル」について再点検を行うとともに、通学、通園や、校外活動、園外活動の経路における交通環境の改善を図るため、調査を実施しているところでございます。
今後、この調査結果を関係機関等と共有することにより、さらなる安全対策の強化を図ってまいります。

 

3.「希望ある幸齢社会」について

次の3点について、区長の所見を伺う。
① 高齢化が進む中、「健康寿命(※)」の延伸は重要である。
その上で、公明党では、「活動寿命(※)」という考え方を提起しており、その延伸に取り組むべきと考えるが、どうか。

※「健康寿命」
平均寿命のうち、健康で活動的に暮らせる期間をいい、WHO(世界保健機関)が提唱した指標。
※「活動寿命」
労働、ボランティア、地域活動等を通じて社会と関わり、支えあいの社会づくりに貢献できる期間をいい、公明党が提起した考え方。

② 昨年、公明党が行ったアンケート調査によれば、「地域包括ケアシステム」の取組みについては、まだ十分に認知されていない。
来年度の「台東区高齢者保健福祉計画」の改定にあたり、「地域包括ケアシステム」の取組みについても見直しが行われるものと考える。
そこで、あらゆる機会を通じて、この取組みの普及を図るべきと考えるがどうか。
③ 幸齢社会の実現には、認知症サポーターが地域で活躍できる場所づくり等の認知症施策の充実が急務であると考える。
そこで、今後の認知症施策について、伺う。

【区長答弁】

① まず、「活動寿命」に対する私の考えについてです。
高齢者が、健康で自立した生活を営み、その知識や経験を活かして意欲的に活動できる社会の実現は、大変重要であると認識をしています。
その点において、「活動寿命」というご提案は、貴重なものと考えております。
今後とも、「台東区基本構想」に掲げる「いつまでも健やかに自分らしく暮らせるまちの実現」に向けて、誰もが安心して健やかに過ごせるまちづくりや、誰もが生きがいを持って活躍し、
自分らしい生活を営める環境の創出等(とう)に取り組んで参ります。

② 「地域包括ケアシステム」は、住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを続けることができるよう、医療・介護・生活支援などのサービスを一体的に提供していく取組みを表わしたものです。
現行の「第7期台東区 高齢者 保健福祉計画」では、「地域包括ケアシステムの強化」を掲げ、総合相談窓口の充実や地域包括支援センターの体制強化、地域ケア会議の開催などを推進(すいしん)しているところです。
「地域包括ケアシステム」の取組みへの理解は、大変重要なことと考えていますので、今後とも、介護の日などのイベントや日頃の相談業務など、様々な機会を捉(とら)えて、その周知に努めて参ります。

③ 私も、認知症高齢者が増加していく中で、認知症施策の充実は、大変重要なことと認識をしています。
区では、認知症になっても住み慣れた地域で、自分らしく暮らし続けられるよう、これまでも認知症高齢者への理解を深める取組みや本人・家族への支援等(とう)、様々な施策を実施して参りました。
認知症施策の充実として、養成した認知症サポーターが家庭や職場など身近な場所での正しい理解を広めていく取組みや認知症予防として、適度な運動や適切な食事等の重要性の啓発などを
着実に進めて参ります。
さらに、現在、国が策定を進めている認知症対策の大綱の作業状況を注視しながら、新たな取組みを検討し、令和三年度からの次期 台東区 高齢者 保健福祉計画へ反映して参ります。